知らない顔

甘いレモンのしずく
染み込むまで
溢れるようなことば
ピンにとめた

あなたの中に
見え隠れする
知らない顔が今日は
私のことを呼ぶ

公園のベンチ こし掛け
夜の外燈 吹き消し
魔法の呪文 唱えてみたい

退屈な待ちぼうけには
いつもの猫
喉を鳴らしてじゃれてる
招待客

あなたの中に
迷い込んだら
入り口も出口も
まだわからないまま

階段一段 登って
オーバーコートで包んで
魔法の呪文 唱えて
あの人のこと 忘れてほしい

公園のベンチこし掛け
夜の外燈 吹き消し
階段一段 登って
オーバーコートで包んで
魔法の呪文 唱えてほしい