ブラジル戦

今朝の日経の「至福の11分」沢木耕太郎はよかった。

耐えに耐えているうちに、思いがけないことがおきた。前半34分、三都主からのパスを受けた玉田が、厳しい角度にもかかわらず、左足で思い切り振りぬくと、ボールがゴールネットを揺らしたのだ。これはワールドカップで日本選手が見せた最高のシュートであり、ゴールだったかもしれない。

 それから45分になるまでの11分が長かった。しかし、その11分間は「もしかしたら」と思わせてくれる、心震える11分間でもあった。このまま前半を終えることができれば、後半にもう1点とれるのではないか・・・・


前半ロスタイム追いつかれ、後半どしゃめしゃになってそのあとケルンでガス抜きしたりしたので、わけがわからなかったが、なんかもやもやしていたものがはれた。




後半開始時の写真

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 日本代表にはこれから批判の嵐が押し寄せることだろう。さまざまな人がざまざまに悪罵まがいの言葉を投げつけるに違いない。第二次大戦直後の小林秀雄の台詞ではないが、「賢い人はせいぜい批判すればいい」のだ。少なくとも私は、他の国のどのような素晴らしい試合を見ても、日本代表の未熟な試合ほどには心を動かされなかったことを知っている。

 いまは、ただ、必死にボールを追いつづけた中田英寿に、懸命にボールを弾き返しつづけた川口能活に、うまくボールを蹴り出せなかった中村俊輔にも、ご苦労様と言いたいのだ。ファンとしての私は、奇跡への可能性を夢みさせてくれた、あの11分間を至福の時と思うから。